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30代や40代で物忘れが激しい!?対策はどうしたらいい?
まだ若いうちから、いつも顔を合わせている人の名前を忘れてしまうとか、やらなきゃいけない大切なことをすっかり忘れてしまっていたとか…
こういった物忘れが多いと、深刻になって、ひょっとして認知症なんじゃ…と心配する人が結構多いようです。
事実病院でも、「物忘れ外来」というのが増えているくらいです。
確かに、物忘れには加齢によるものと、認知症などの病気につながるものがあります。
ただ、歳をとれば多くの人は脳が萎縮し始め、脳細胞は減っていくので、年齢とともに物忘れは起きても不思議はないんです。
今回は、病気ではないけれど誰にでも起こりうる、身近な物忘れの原因について見ていきます。
物忘れと認知症の違いは?
人間の脳細胞は6歳ごろまでに爆発的に増えてピークを迎え、その後は数を減らしていきます。
つまり、小学生の時期から徐々に徐々に脳細胞は減っているということになります。
それにしたって、働き盛りの30代や40代のうちから物忘れが多くなってきたんじゃ心配でしょうがないよ!と思いますよね。
実際それらの年齢の人たちの受診が、60歳以上の人たちよりも目立っているようなんです。
60歳以上だと、認知症も心配される人が多いですよね。
若い世代でも認知症を疑ってる人が多くなったってことですか?
言葉(名称)が出てこなかったりとか、仕事で大切な用件をうっかり忘れてたりとか、そういうド忘れから認知症を心配する人も多いんですね。
でもこれは、認知症みたいな病気ではない物忘れなんですよね?
ええ、認知症とは根本的にちがいます。
物忘れというものにはまず、その事柄を知っている・記憶しているということが前提としてあります。
知っていること・記憶していることが思い出せないのが、物忘れという状態です。
つまり、記憶あっての物忘れということになります。
記憶というものは
- 覚える
- ためる
- 取り出す
と言った、3つの過程で成り立っています。
(見たり聞いたりしたものを)覚える
(覚えたものを)ためる
(ためていたものを)取り出す
と言った具合ですね。
このうち1番目の覚えるという過程で問題があるのが認知症です。
認知症だと、したことを覚えていないという特徴があります。
食事したこと、顔を洗ったこと、トイレに行ったことなどを覚えていない。
すなわち忘れるのではなく、覚えるというところに問題があるわけです。
認知症ではない単なる物忘れの場合、1番めの覚えるや、2番めのためるに問題はありません。
人や物の名前が、「知っているはずなんだけど思い出せない・思い出せないけど時間が経てば出てくる」
という事は、本当に忘れているのではなく、きちんと脳内に貯蔵されているということです。
思い出そうとしたときにパッと思いつかない…
これは3番めの取り出すというところに問題があるといえます。
いわゆる「ド忘れ」や「うっかり」の部類に入ります。
一体どうして働き盛りの年代に物忘れの兆候が多くなってきたのか?
これには若い年代だからこそ起こりやすい、生活習慣に原因があると考えられます。
物忘れの原因で考えられること
- 脳の老化
- 脳の過労
認知症のような病気ではない、加齢による物忘れについては脳の老化が原因と言えます。
年とともに体力も衰え、細胞も劣化していきますね。
同じように脳細胞も老化していき、若いときほどなんでも覚えたり思い出したりがスムーズにできなくなります。
でも若い世代だと、加齢ではなく、過労やストレスが原因となる場合があります。
過労と言っても、単にからだの疲労ではなく、脳の疲労です。
脳が疲れることによって記憶を引き出す力が弱くなり、物忘れが起きるんですね。
人の名前が思い出せない、これから何をしようとしていたのか忘れたなど、こういったことが病気で体調の悪いときに起きるのなら心配はいりません。
問題なのは、からだがなんともないのにものを思い出せないと言った点にあります。
知らない間に脳を疲れさせる生活を習慣にしてしまっていることが考えられます。
脳の疲労原因となる生活習慣とは、複数動作の同時進行
忙しい現代社会において、あれをやったりこれもしたりと、2つ3つの動作を同時に行うというのが脳の疲労を招きます。
例えば朝食を摂りながらスマホをいじり、さらにテレビにも意識を向けるなど、脳に色んな情報を与えすぎて負担をかけていることになります。
たくさんの情報を刺激として受け続けることで、脳を疲れさせてしまいます。
同時に進行する作業が増えるほど物忘れしやすくなる
何かをとりに別の部屋に向かっているときに、歩きながらスマホのメールをチェックする。
すると部屋についたとき、「何をとりに来たんだっけ?」というようなことも起こります。
脳の過労状態が続くと、処理能力が低下し物忘れが起こる
今はスマホなんて当たり前、パソコンやタブレットもあるし、ニュースや情報なんてどこにいたって入手できます。
とくに若い世代を中心に、仕事の合間の休憩時間にさえ、メールチェックやサイトの閲覧、さらにはゲームなどする人は多いですね。
情報で溢れかえり、脳が休まるひまがありません。
脳は年をとっても刺激を受けて成長しますが、刺激が長く続くと、逆に過労になり機能が低下してしまいます。
疲労のせいで、ここだというタイミングで思い出せない、物忘れの状態が起こるわけです。
物忘れを予防するには脳に疲れをためない、そういう生活習慣を心がけることが重要です。
脳に疲れをためないようにするには
同時に複数のことをしない
あれもこれもと脳が目を回すようなことを続けていては、当然ながら疲れる一方です。
脳の緊張を解くこと・負荷を減らすことを心がけましょう。
いくつもやることがあるときは優先順位を決め、一つ一つこなしていくことが大切です。
なんでもかんでも検索に頼るのを控える
有名人の名前が出てこない、漢字が思い出せないなど、こうしたことですぐスマホやパソコン検索してしまいがちですね。
こういうとき、すぐ調べずにまずは自分の頭で考えてみることが物忘れの予防につながります。
一度考えてみてどうしても思い出せないというときには調べるのもいいですが、考えることで記憶を思い起こすという作業をすることが大切です。
脳を使うのは、情報を詰め込むためではなく、記憶したものを引き出すということに力を入れてみましょう。
ボーッとする時間を作る
電車の中でも終始スマホを見続けている人は多いですが、こういうときこそ何も考えずボーッとしてみましょう。
とにかく脳を休めることです。
ぼんやりと空を眺めたり、ボーッとする時間を持つことで脳が整理整頓され記憶を引き出す力がアップします。
へえー、意外。
何も考えないと、脳は衰えてくもんだという認識があったんですけど。
確かに、スマホやゲームなんかで脳を使いすぎる現代人には、逆にぼんやりするのがいいのかもしれませんね。
ぼんやりすることで記憶の整理をするんですね。
ボーッとする時間は1日ほんの5分ほどでいいそうですよ。
さいごに
歳をとることで脳細胞は減っていきます。
でもその細胞間をつなぐネットワークは増えていきます。
一瞬で思い出せなくても、きっかけがあると思い出すというなら大丈夫です。
物忘れは脳の老化や疲れのサイン。
パソコンやスマホ、タブレットを始終使いこなす働き盛りの世代こそ、注意が必要ということになります。
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