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高齢者向けインナーマッスルの簡単トレーニングで足腰強化
年齢とともに衰える筋肉。
使わなくなっても落ちるし、衰えが進行すると日常生活にも支障をきたすことになります。
特に高齢になると足腰が弱ります。
足腰が弱ると、老化も一気に加速してしまうんです。
外見上はわかりにくい、からだの奥まったところについているインナーマッスル。
足腰が弱まる原因はこのインナーマッスルが衰えることと関係があるんです。
今回は、インナーマッスルの中でも足腰に関わりの深い筋肉について解説していきます。
高齢者でもインナーマッスルを鍛えられる?
インナーマッスルとは深層筋のこと
アウターマッスルと呼ばれる、その形や大きさが外側からわかる表層筋に対し、内側の深いところにあるのでこう呼ばれます。
筋トレをしてどんどん大きくなっていく表層筋と違い、筋トレをしてもごつくならず、なかなか鍛えにくい筋肉ではあります。
アウターマッスルが物を持ち上げたり早く走ったり、直接的な力を発揮するために使われるのに対し、インナーマッスルはそのための姿勢を整え、動きを細かく調整する働きをします。
人間が筋肉を使って力を発揮できるのも、各関節の複雑な動きをなめらかに行えるのも、このインナーマッスルのおかげです。
さて、筋肉は使わないとどんどん落ちてきますね。
簡単に鍛えられ、表立ってその発達や衰えが見て取れるアウターマッスルと違い、インナーマッスルは衰えても外見上ではわかりません。
インナーマッスルも年齢で衰える
インナーマッスルも使わなかったり年をとるにつれて衰えていきます。
高齢になると足がもつれたりつまづいたりしやすくなりますが、それらもインナーマッスルが弱ってきたことに関連があるんです。
普段あまり運動をすることがなくなり、そのままどんどん歳を重ねると、早く老けたりからだが動かなくなっていきます。
特に高齢になってくると気をつけないといけないのが、歩いているときの転倒。
それは下半身の腸腰筋(ちょうようきん)が衰えることで起こりやすくなります。
腸腰筋というのは腸骨筋(ちょうこつきん)と、大腰筋(だいようきん)のふたつからなる筋肉群です。
腸腰筋とは、腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群のことで、股関節の曲げ伸ばしに重要な役割を持っています。
腰椎のS字型を維持する働きもあるので、この筋肉が衰えてくると骨盤が後傾して上体が支えづらくなり、ねこ背や歪みの原因になるんです。
からだの歪みと併せ、腸腰筋が衰えるとつまづきやすくなったり足を引きずって歩くようになったりもするわけです。
インナーマッスルを鍛えることでバランス感覚が良くなったり、代謝が良くなるので太りにくくなるというメリットがありますが、他にも、特に腸腰筋を鍛えることでのメリットとして以下の様なことがあげられます。
腸腰筋を強化するメリット
1.骨盤の歪み改善
綺麗な背筋はS字を描いていますね。
腸腰筋が衰えると骨盤を支える力が落ち、本来前傾している骨盤が後傾してしまいます。
バランスが取りづらくなった上半身をなんとか支えようと、首から上が前方に突き出たり背中が丸くなったりしてしまいます。
腸腰筋を鍛えて骨盤の位置を修正することで姿勢がよくなり、ねこ背も解消されます。
2.足が上がるようになる
足の付根がうまく上がらなくなると、前に蹴りだす力も衰え歩幅も減少し、足がもつれやすくなったりつまづきやすくなります。
高齢者の転倒も、このように足が持ち上がらなくなるため起こります。
上げづらくなった足の動きをよくするにはまず腸腰筋を鍛えることです。
3.上半身と下半身の安定
腸腰筋は腰椎から骨盤を通って大腿骨を結んでいる唯一の筋肉です。
つまり上半身と下半身を結んでいるわけです。
腸腰筋が衰えると上半身の支えがままならなくなり、重みが腰に集中して腰痛が起きます。
最近腰がだるい、痛いという人は、腸腰筋のトレーニングをしてみるといいでしょう。
30代を過ぎると徐々に落ちてくるインナーマッスル。
60代でも70代になってもさっそうと歩けるからだを作るために、日常の簡単な動作をもとに、まず腸腰筋の強化を図りましょう
足腰に効くインナーマッスルの簡単トレーニング方法
普段あまり歩かないとか、ダラダラちょこちょこと歩く人は腸腰筋の衰えが他の人より早いはずです。
腸腰筋はインナーマッスルなので、アウターマッスルに比べて鍛えられているかどうかが目で見てわかるというものではありません。
多少の筋肉痛が出ることもありますが、ほとんどの場合、軽い負荷で行うトレーニングなので筋肉痛は起きないです。
その分やっていて効果を感じにくいので、本当に効いているのか心配になることもあります。
でも続けていると、以前よりからだが軽くなった、足があげられるようになった、腰が曲がるようになったとかを実感できるようになるはずです。
高齢者でも簡単にできる普段の生活に合わせたトレーニング方法
大股歩き
足の付根を意識して足の裏で地面をしっかり蹴って、足裏全体で地面に食いつくようにかかとから着地させます。
早足ではなく、大股でゆっくりしっかりと歩くと腸腰筋に効かせることができます。
階段を使う
上階への移動はエスカレーターやエレベーターを使わずに、階段を使って登ります。
その際、できるだけ膝を高く、意識して持ち上げるようにしましょう。
できる人は手すりを持ちながら、1段とばしで上がるのも効果があります。
要はひざを持ち上げるということです。
自宅で足踏み
普段の生活が階段とは無縁だという人は、自宅でテレビを見ながらでも足踏みをしてみましょう。
背筋を伸ばし、ひざを交互にゆっくりと持ち上げます。
太ももが床と平行になるくらいまで持ち上げるのがミソです。
普段歩くときのように両腕を振ってバランスを取りますが、勢いがつきすぎないようにしましょう。
膝を上げきったとき、一瞬静止するのが理想です。
ひざを上げる事に気を取られ、ふらつくのが怖いという人はイスに座って行いましょう。
イスに浅めに腰掛け背筋を伸ばし、ひざを交互に胸に近づけます。
このとき、前傾したり背中が丸くなったりしないように気をつけます。
つま先は上げることなくだらりと脱力した状態でやりましょう。
足をあげるというより、お腹の力で足を引き寄せるというイメージで行うのがミソです。
慣れてきたり余裕があれば、両足を同時に引きよせましょう。
インナーマッスルのトレーニングは強い負荷で行うものではありません。
重い負荷で10回ほど行うアウターマッスルのトレーニングとちがって、軽い負荷で数を多めにするのが通例ですが、筋肉が痛くなるまですることもないので、きつくなったと感じたら終わりにしましょう。
自宅で足上げをするにしても、30〜40回くらいを目安にし、ほどよい疲労感が現れるくらいがちょうどいいのです。
もっと高度にインナーマッスルを鍛えて足腰強化
◯◯しながらというわけにもいきませんが、自宅でもう少し腸腰筋を鍛えてみようと言う人向けのトレーニングです。
レッグレイズ
- 仰向けに寝転がり、片方のひざを90度に曲げた状態で立てます。
- もう片方の足はつま先は立てた状態でひざは伸ばしたまま、5秒かけてゆっくりと45度くらいまで上げていきます。
- そしてまた5秒かけてゆっくり戻しましょう。
あまり高く上げすぎると肝心の部分に効かないので、ほどよい高さで止めるのがポイントです。
背中が反ったり丸まったりしないよう気をつけて、自然な呼吸で行いましょう。片足ずつ各5回ほど行います。
慣れてきたり余裕のある人は、両足でやってみましょう。
お尻歩き
- ひざを伸ばした状態で床に座ります。
- 骨盤を動かし、片足を前方に伸ばします。
- 次にもう片方も同じように前方に出し、これを交互に繰り返し、10歩前進します。
- 逆に10歩後退しましょう。
これを3セットほど繰り返します。
腹筋を意識しながらするのがポイントです。
きつい・歩きづらいという人は、ひざを曲げた状態からはじめましょう。
まとめ
アウターにしろインナーにしろ、筋トレはその部位を意識して行うのが肝心です。
腸腰筋を鍛える場合、意識するのはお腹や足の付根です。
疲れてくるとフォームも崩れ、鍛えたい場所と違うところに効いたりして意味がなくなります。
インナーマッスルは強い負荷のかかるトレーニングではないですが、回数が多いと疲れやすくなります。
今回は高齢者でもできるやり方を挙げましたが、疲れてフォームが崩れてしまうくらいなら、苦しくない程度の回数にとどめておきましょう。
筋肉を痛めることにもなるので、やりすぎは禁物です。
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