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皮に栄養が多い?じつは捨てるともったいない野菜と果物の皮
普段なにげなく捨ててしまっている野菜や果物の皮。
でもじつは、皮には実の何倍もの栄養素が含まれているものもあります。
サプリメントを買うよりも、手近なところで簡単に摂れる栄養分。
ちょっと見方を変えて一手間かけるだけで、お金をかけずに補うことができます。
今回は、知らないで捨ててしまっている、野菜や果物の皮に含まれる成分と効能について解説します。
皮に栄養素が多い野菜
タマネギ
誰しも、パサパサで見た目にも食べられそうにないタマネギの皮に、体にいい成分が豊富に含まれているなんて思わないでしょう。
タマネギの、あの茶色の皮にはポリフェノールの一種・ケルセチン(クェルセチン)という物質が含まれています。
ケルセチンには血管を丈夫にする成分が多く含まれており、同時に血液をサラサラにし、血圧上昇や動脈硬化を抑える働きがあります。
ただこのタマネギの皮、有効成分が多く含まれているとわかっていても口にしがたいと思います。
洗ってそのまま食べるなんて、食感的にもまず無理。
そんなときは成分を煮だし、お茶として取り入れればいいんです。
タマネギの皮を煮込んだものをそのまま飲んだり、料理や他のお茶に混ぜたり、ハチミツで味付けをするなりして飲むのがいいようです。
ニンジン
お店で売られているニンジンは、じつは皮が着いていません。
ニンジンの皮は非常に薄く、出荷前に泥を洗浄したとき、いっしょに取れてしまうわけです。
その後乾燥し、表面が固くシワシワになってしまうので、それを皮だと思ってしまいますが、表面はすべて身なんです。
そしてニンジンの栄養素は、その表面に多く含まれます。
ニンジンに豊富に含まれるカロテンには抗酸化作用があり、動脈硬化や心臓病の予防にいい成分です。
今までピーラーで表面をとっていた人はよく洗うだけにして、そのまま料理に使うようにしましょう。
大根
大根は本体とも言える根の部分が淡色野菜、葉っぱの部分が緑黄色野菜にわけられます。
大根に含まれる栄養素・ビタミンCは中心部よりも表面に多く分布しているので、やはりきれいに洗ってそのまま調理するのがいいようです。
でも皮付近には苦味成分が多く含まれるので、いっしょに食べるのに抵抗のある人もいるかもしれません。
そういうときには、むいてしまった皮の有効利用をしましょう。
千切りにした皮を、ごま油やしょうゆ・みりん・砂糖などで炒めてきんぴらにしてもいいですね。
うちでは千切りにしたものを一晩干し、しょうゆと酢と鷹の爪とで和えたものに熱したごま油をかけ、重しをして半日寝かせたお漬物として頂いています。
ところでこの大根、根よりも葉の部分に栄養素が多く含まれています。
皮同様、葉っぱもついつい捨ててしまいがちですね。
そもそも葉っぱ付きの大根が売られていることさえ珍しいですが、もし、葉付きの大根が買えたなら捨てずに調理して食べましょう。
大根の葉にはビタミンCやカルシウム、カリウム、βカロテンなどが含まれていて、捨てるなんてとんでもない部分です。
細かく刻んだ葉っぱをしょうゆとごま油で炒めれば、ご飯といっしょにおいしく食べられますよ。
じゃがいも
じゃがいもの栄養素の20%は皮に含まれています。
カルシウムやカリウム、ビタミンBなどを含み、動脈硬化や高血圧防止に効果があります。
ただし、芽の部分や、太陽光にあたって緑色に変色した皮には、ソラニンという毒性のある物質が含まれるので、食べると下痢や嘔吐を引き起こします。
皮ごと食べようと思ったら、これらを取り除いてからにしましょう。
さつまいも
石焼きいもだと、表面に炭や石がついているので皮ごと食べるのは無理かもしれませんね。
でもさつまいもの皮と身の間にはヤラピンという消化酵素が含まれ、腸の働きを活発にしてくれます。
つまり便秘解消にいいというわけですね。
そしてさつまいもを食べたときに気になるおならにも効果があります。
さつまいもはデンプンの粒子が大きいため、消化に時間がかかり、腸に達してから発酵がはじまるのでガスがたまりやすいんです。
でも皮ごと食べるとヤラピンの効果で消化が早くなり、腸内にガスもたまらないというわけです。
カボチャ
逆にカボチャは皮をむいて食べるほうが珍しいんじゃないでしょうか。
煮物や天ぷらなんて、皮ごと食べますしね。
もしむいていたなら、今後は皮ごと食べるほうがより多くの栄養素を摂ることができます。
カボチャそのものには食物繊維の他にビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウムなどが豊富に含まれますが、皮には特にβカロテンが多く存在します。
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、肌や粘膜の強化をし、免疫力を高める効果があります。
このβカロテンは実の3倍近い量が皮の方に含まれます。これをきいたら、もう皮は捨てられませんね。
皮に栄養素が多い果物
リンゴ
リンゴの皮にはリンゴポリフェノールやリンゴペクチンが含まれています。
リンゴポリフェノールとは、リンゴに含まれる数種類のポリフェノールの総称。
主成分であるプロシアニジンには、抗がん作用、抗アレルギー作用があり、強い抗酸化作用でからだの酸化をふせぐ効果もあります。
そしてタマネギと同じ血液をサラサラにする効果のあるケルセチンも含まれています。
実よりも皮に多く含まれるもうひとつの成分がリンゴペクチン。
リンゴペクチンには整腸作用があり、便秘や下痢の解消に効果を発揮します。
大腸に届き、乳酸菌の餌になって善玉菌を増やし、腸内環境を整えるのに一役買ってくれるわけです。
表面がワックスをかけたようにテカテカしてるから皮ごと食べるのは嫌という人も多いでしょう。
でもこれは、あえてワックスをかけているのではなく、リンゴ本来のツヤなんです。
気になる人は、よく水洗いするか塩水や重曹を溶かした水につけて洗うといいですよ。
みかん
さすがにみかんの皮をそのまま食べろと言われてもそれは無理なハナシです。
でも、皮をむいた袋や周りの白いモケモケした繊維はむかずにそのまま食べるほうがいいんです。
袋の周りの白いモケモケは正式名称をアルベドといいます。
みかんの皮や袋、そしてアルベドにはヘスペリジンという成分が多く含まれています。
ヘスペリジンには血圧の上昇を抑えたり、中性脂肪を分解したり、血管を強く、若く保つという効果があります。
そしてみかんの成分として誰もが知っているビタミンCの吸収を高めてくれるんです。
袋やアルベドにはもうひとつ、ペクチンという物質が含まれています。
ペクチンは食物繊維として機能し、腸の働きを整えます。
つまり、便秘に効果があるということですね。
みかんはあますところなくまるごと食べると効果大なわけですが、やっぱり皮をそのまま食べるのは抵抗がありますね。
そんなときには、細かく切って砂糖漬けにし、マーマレードジャムとして食べるといいですよ。
キウイフルーツ
これを皮ごと食べるのはかなり抵抗があるでしょう。
よく洗ってこすって、表面のゴワゴワした毛はとることができますが、それでもザラザラした表面はそのまま食べるのに抵抗がありますね。
でも、普通に食べられます!
しかもおいしく、私も初めて食べたときは意外でした。
このキウイフルーツの皮には食物繊維の他、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、そしてポリフェノールなどが含まれていて、動脈硬化や血圧の上昇を抑えたり、整腸作用で便秘の解消、免疫力を上げる効果などがあります。
まとめ
地中で栽培される野菜には泥がついているわけですが、土壌菌の中には熱に強いものもいます。
それらは加熱処理をしても死なないので、よく洗い、泥を落としてから調理するようにしましょう。
皮ごと食べると体にいいと言って、あまり食べ過ぎるのもよくありません。
特にリンゴは一日一個がいいとされています。
食べ過ぎるとおなかをこわす原因になるものもあるので注意しましょう。
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