精神的・身体的・社会的にもすっきり爽快!
水分の摂り過ぎ?むくみの原因・実はこういうわけ
むくみとは、体内でうまく釣り合っている水分バランスが崩れてしまうことで起こります。
人間のからだの60%をしめる水分は、おおまかに細胞の中にあるか外にあるかで「細胞内液」と「細胞外液」のふたつに分けられます。
むくみは、この細胞外液が溜まることで生じるのです。
細胞外液のしくみ
体内には数多くの細胞が存在し、血管も細部に張り巡らされていますね。
この細胞ひとつひとつの中にあるのが細胞内液と言うのは、読んで字のごとく、非常にわかりやすいと思います。
では細胞外液とは?
まず、血管の中を通る血液中にある「血しょう(けっしょう)」
そして細胞ひとつひとつの隙間を埋める間質(かんしつ)にある「間質液/組織間液(かんしつえき・そしきかんえき)」がそれに当たります。
細胞外液=血しょう&間質液
血しょう:血液中の55%をしめる液体です。酸素や栄養分が溶け込んでいて、毛細血管からしみ出し、間質液と混ざり合い、細胞内へ浸透します。
間質液:血しょうと混ざり合って細胞にしみ込み、酸素や栄養素を供給する運搬役です。
体内の水分60%の内訳は、40%が細胞内液、20%が細胞外液です。
さらに20%の細胞外液のうち、5%が血しょうで、15%が間質液です。
動脈から毛細血管を経てしみ出した栄養素を細胞に提供した間質液は、細胞から廃棄された二酸化炭素や老廃物を回収し、静脈の毛細血管に吸収されて心臓に戻る、これの繰り返しです。
ところが、この血液の循環に伴う一連の動作がうまく行えなくなった時に、むくみが生じます。
血液中の水分は間質へ、間質の水分は再び血液へというふうにうまく調整されているのが、何らかの理由でバランスが崩れ、間質内の水分(間質液)が異常に増えた結果がむくみというわけです。
間質内の水分量があがる原因については内臓疾患による場合もありますが、内臓に異常のない人だと血行不良や塩分過多、あるいは水分過多が考えられます。
むくんでいるのは水分が溜まっているから。
じゃ、水分の摂りすぎが原因?
確かにそれもあるでしょう。
でも、意外にも水分の摂りすぎではなく「摂らなさすぎ」が原因ということもあるのです。
水分が足りないと体がむくむ!?
成人が1日に必要な水分量は、飲料や食べ物に含まれる水分量合わせ、約2000ccと言われています。
それ以上余分に水分を吸収しても、汗やオシッコとして排泄されるので、通常なら体内に溜まることもなく、むくみの原因にはなりません。
むくみの原因になっているのは、脱水による細胞外液の異常なんです。
水分を取らないのに水分が溜まるってどういうこと?
普通ならそう思いますね。
人間のからだには一定量の水分が必要不可欠。
ところがトイレが近くなるからなどという理由で水分摂取をしないでいると、体内の水分は出て行く一方で、脱水状態になってしまいます。
必要な水分量が足りないと判断した脳は、生命維持のため体内に水分を溜め込もうとします。
本来ならオシッコとなって排出される水分も逃さないように、抗利尿ホルモンが分泌されるわけです。
この抗利尿ホルモンが分泌されると、からだはその後、摂取した水分をどんどん取り込み体内にとどめようとします。
たとえ水分摂取が必要量になったとしても、この抗利尿ホルモンの効果はすぐ治まることなく数日間続きます。
そのため、排泄量よりも溜め込む量のほうがどんどん増えていくのです。
むくみは、抗利尿ホルモンの効果で体内水分がたまった結果として生じることもあるんです。
まとめ
大量の水分摂取がむくみの原因と思われがちですが、実は必要水分量が少なすぎるための、ホルモン分泌による体の自己防衛策が原因。
だからといって、大量に摂取するのもまたむくみの原因になります。
むくみは血液の流れに影響されます。
冷たい飲み物を一度に大量摂取すると血管が収縮して血流が悪くなり、間質に滲みでた水分が血管に戻りにくくなるためにむくみが生じます。
必要量を数回に分けて摂取するのが、体にいい飲み方ですね。
コメントフォーム