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介護職の働き方と仕事の内容や種類について
高齢者が多くなって、介護する人の需要も高まってきます。
介護の仕事をしてみようと思う・介護職に興味はある、けど一体どんなことをするのか不安だという人もいるでしょう。
仕事内容とか、どんなところで働くのとか…
気になることはあっても、ひと言で説明するには少々フクザツです。
なので今回は、どんな仕事をするのか・どんなところで働くのか、私の経験も含めてご紹介していきますよ。
介護の仕事・内容は?
介護の仕事は勤め先によって仕事内容も働き方も違ってきます。
業種で言うと、サービス業に当たります。
そして、お世話をする相手も働く場所によって違ってくるんです。
どんな人のお世話をするの?
老人ホームで働く介護士の姿をテレビで見かけることがあると思います。
そのせいか、介護の仕事ってお年寄りのお世話ばかりだと思われがちですが、じつはそうではないんです。
介護職員がサービスを提供する相手は、身の回りのことを自分の力だけでは行えなくなった高齢者のほかに、障害者や子どもなども対象となります。
●身体的な衰えが出て、歩けなくなった・寝たきりになった
●からだは動くけど認知症になって、自立した生活が困難になった
といった高齢者の介護は、介護職の中でももっとも需要のある仕事と言えるでしょう。
でも、麻痺などが原因で、自分ひとりでは着替えができない・お風呂に入れない・ベッドから起き上がれないなどの身体の障害を持った人や、自立した生活が困難な知的障害や精神の障害のある人・またはそういった児童など、身体障害・精神障害・知的障害を持った人(児童)も介護を必要としています。
つまり年齢は関係ないということですね。
どういったお世話をするの?
介護職員が担う役割には
●着替えや排泄、食事の介助、入浴、口腔ケアなど、身の回りのことをサポートする身体介護
●炊事、洗濯、掃除、買い物代行などの、家事をサポートする生活援助
●生活や介護に関しての相談を受けたり、福祉用具や住宅の改修などに関する助言
●閉じこもって孤立してしまわないよう、外部との交流・社会活動への参加を促し、サポートする社会活動支援
などがあります。
特に身体介護というのは、施設で働く介護者にとって関わりの深い仕事と言えます。
上記の他にも、ベッドから車いすへの移乗や移動介助、寝返りが打てない人の体位変換なども重要な役割です。
身体介護の範疇に入りますが、昔は看護師の仕事だった爪切りや服薬、点眼、軟膏の塗布といったことも、今では介護職員もするようになっています。
※服薬は一包化されたもの(薬局でひとまとめにして出されたもの)のみ可能です。
次の章で書きますが、働く場所によってこれらがほぼ必要であったり、一部のみやればいいということもあります。
トイレ介助や車いすへの移乗などの身体介護は苦手だから、掃除や買い物代行などの生活援助や社会活動支援などを専門にするという人も中にはいます。
お世話するだけじゃない介護職員の仕事
直接何らかのお世話をするだけが介護職員の仕事ではありません。
施設だと、日報を書いたり利用者の状態や行動を記録につけたり、訪問介護の場合はサービスについても書くことが、介護職員の仕事になります。
記録の付け方は様々で、用紙に手書きということもあれば、パソコンに打ち込んだものを最終的に出力・ファイルすることもあります。
最近ではタブレットに記録する施設も増えていますよ。
私が介護の仕事を始めた頃は、もちろん紙に手書きでしたが、徐々にパソコン入力に変わってきましたね。
タブレットも登場したのには驚きましたよ。
私、パソコン苦手だったから、最初の頃は打ち込むのに時間がかかったことがあるわ〜。
あれ、手書きに慣れてるとなかなかとっつきにくかったんですよ。
みんなで共有するものだし、外部の人に簡単に閲覧されないようパスワードの設定もありますしね。
パソコンがさわれない人はちょっと苦労するかもしれません。
でも、必要な人の記録がすぐに探せるから、便利になったっていうメリットはありました。
読めないほどクセ字の人がつけた記録でも、パソコンやタブレットだと関係ないですしね。
そうですね。
私はそれが一番ありがたかったです。
何度も間違って、二重線とハンコでぐちゃぐちゃになってる記録を見ることもしょっちゅうでしたから…
介護の仕事・種類はどんなの?
大まかに分けると、介護サービスには
- 入所系サービス
- 居宅系サービス
と言うものがあります。
入所系サービス
施設に入所している人たちの身の回りのお世話をするのが仕事です。
施設には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などがあり、これら施設に入所している人が対象となるため、施設介護と呼ばれます。
居宅系サービス
あくまでも利用者が住んでいるのは自宅で、そこから利用者が出向いて来たり、介護職員に自宅へ来てもらってサービスを受けると言ったものです。
利用者が出向いてサービスを受けるものには、デイサービスやデイケアなどがあり、通所介護と呼ばれます。
そして介護職員に自宅にきてもらって身の回りの世話をしてもらうのが、訪問介護と呼ばれるものです。
これらは自宅に住んでいてサービスを受けることから、在宅介護と呼ばれます。
病院の大部屋のような昔の特別養護老人ホームと違って、グループホームは完全個室のユニット型と呼ばれる居室タイプで、1フロア9人(9室)という少人数制です。
建物自体も2階建て、高くても3階までというのが主流です。
今では特別養護老人ホームもこのようなユニットタイプが多くなりつつあります。
施設での仕事は主に、排泄(トイレ・おむつ交換)や食事、入浴、着替えなどの身体介護や生活援助がほぼ平均して行われますが、通所介護ともなると、意欲の低下や認知機能・運動機能の低下を予防するためのレクリエーションやリハビリがメインとなります。
訪問介護となると、掃除や買い物代行、洗濯や調理などの生活援助と、入浴介助や排泄介助などの身体介護とに二分されます。
このため、直接からだに触れる身体介護は苦手という人は、訪問介護で生活援助の仕事だけを請け負っているということも多いんです。
グループホームでの仕事は特養とほぼ同じですが、食事は自分たちで作るというのが主流です。
職員が利用者に手伝ってもらい、いっしょになって調理・準備・洗い物・後片付けを行います。
食材は、業者に配達してもらうところもあれば、自分たちで買い出しに行くところもあるなど様々。
買い出しは利用者といっしょに行くこともあり、非常にアットホームな施設です。
働く場は本当に様々です。
働くスタイルもちがうので、介護サービスとは何をするのかという問いに一言で済ませることはできません。
日本での介護の仕事はもともと、お世話をする職員が相手先に出向いていったのが最初です。
つまり訪問介護から始まったということですね。
訪問介護は職員ひとり(時に複数人)で利用者宅へ向かい、契約内容(ケアプラン)に則した仕事を行うもの。
施設では、複数の職員といっしょに複数人の利用者のお世話をします。
施設の中には、介護職員だけでなく看護士や医師、理学療法士などといった、別分野の専門家といっしょになってチームケアをしていくものもあります。
そして病院というのも、一つの働き口でもあります。
介護職員は患者の身体介護のほか、シーツ交換や看護士の手伝いという形で医療補助などを行います。
このように介護職員の仕事というのは、非常に多岐にわたっていて、働く場所によってまったく違ったことをするというのも当たり前にあるわけです。
介護の仕事をしている人に、この業界に入った理由を聞くと、実にいろんな答えがかえってきます。
「この業界の中で色々勤め先を変えてみたが、特養が一番あっている」という人や、「自分は最初から訪問介護しかないと思っている。だから転職しても訪問介護を選んでいる」と言う人が多くいました。
みんなでレクリエーションをするのが楽しいという人はデイサービス、リハビリが好きな人はデイケアや介護老人保健施設を選ぶようです。
私はもともとグループホームが最初だったんですが、その時の上司が「グループホームにとどまらず、色んな仕事を経験してみて、自分にあったものを見つけるのもいい」と言ってくれました。
その後、特養、サービス付き高齢者向け住宅、デイケアと経験しましたが、自分には特養が一番向いていると感じました。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
入所系サービスのひとつではありますが、ひとつの建物(集合住宅)内での訪問介護という形をとります。
私の場合、この建物を管理していたのが訪問介護の事業所だったので、建物内にとどまらず、近所のお宅にも訪問していました。
訪問介護の職員は、9割方が女性です。
利用者が一人暮らしの女性だと、男性職員を家に上げるのに抵抗を感じる人が少なくないからです。
ただサ高住だと、施設とおんなじで、フロアで顔を合わせているものだから男性職員でも安心できるというわけですね。
さて、これだけのことをするのにどんな資格がいるんでしょう?
介護の仕事に興味がわいて、資格を取りたいと思ったら参考にしてみてください!
さいごに
介護職は看護士と同じで女性の比率が高く、特に訪問介護では、男性職員の活躍の場はほとんどないと言っていいほど少なめです。
ただし、自宅にお邪魔してお風呂に入ってもらうサービス・訪問入浴や、歩行のままならない人の利用する介護タクシーのスタッフは男性が多いようです。
力の要るものは女性より男性の方が安心だというものもあって、利用者の家族の中には、あえて男性職員に来てもらいたいという人もいらっしゃいます。
訪問介護のみならず、介護職員は全体的に女性比率が高いですが、施設介護や通所介護においては男性の活躍の場もたくさんあります。
私もこの業界に入った頃、男性の需要は少なめだと聞かされていましたが、意外と男性職員が多いことにちょっとがっかり…安心したことがあります!
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