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自律神経の不調で血圧が下がる起立性低血圧の原因
急に立ち上がったときや、寝ている状態から起き上がったときに、くらくらして倒れそうになる。
脳の血流量が低下して起こる症状ですね。
頭からサーッと血の気が引いていく感じがするので貧血だと思われがちですが、これは低血圧の一種、起立性低血圧と呼ばれるもの。
起立性低血圧は一時的に血圧が下がるもので、自律神経の不調や、その他の要因が重なって起こります。
血圧が下がる原因は自律神経の不調
低血圧と呼ばれるものには種類があります。
原因となる病気によって引き起こされる症候性低血圧
はっきりとした原因の分からない本態性低血圧
そして立ち上がったり起き上がったりしたときに起こる起立性低血圧です。
上の2つは血圧が低い状態が続きますが、起立性低血圧は一過性のもので、自律神経が正常に働かなくなることで起こります。
自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、運動する・活動する際に優位になるのが交感神経、からだを休める(眠る)・リラックスするときに優位に働くのが副交感神経です。
この2つはどちらかが働いているときにもう片方は休んでいるわけではなく、状況に応じて7:3や2:8になるなどしてバランスを取っています。
怒ったり興奮したときには交感神経が働いて血管を収縮させるので、血圧が上がります。
就寝時などは副交感神経が優位に働くので、心拍数を減らし、血管を広げて血圧が下がります。
血圧を上げる交感神経と血圧を下げる副交感神経が適切に働くからこそ保たれる血圧が、不調によってうまく調節されずに起こるのが、急激な血圧の低下によるめまいや立ちくらみです。
急に立ち上がることで、重力の関係から血液は下肢にたまります。
本来ならここで血管が収縮して血圧が上がり、血液循環も活発に行われます。
でも、自律神経の不調で血圧の調節がされないと、血液も心臓に戻りにくくなって全身に送り出すことができず、脳も一時的に虚血状態になることがあります。
その結果、めまいやフラつきが起こり、立っていられなくなるんですね。
このように急に立ち上がったり起き上がった際に血圧低下が起きることを、起立性低血圧といいます。
自律神経の切り替え不調によって起こるので、このような状態には、普段低血圧気味でない人でもなり得ます。
起立性低血圧で失神することも
根本的な原因になっているのは脳に巡る血液(酸素)量の不足によるものです。
めまいやふらつき、立ちくらみ程度ですまないほど重度の場合、失神が起こります。
誰もがイメージする貧血とよく似ているので、起立性低血圧は脳貧血とも呼ばれます。
脳貧血と貧血は似ているようでまったく違うものです。
脳内の酸素が不足することでめまいやふらつき、顔面蒼白などの症状が出るのは両者共通です。
ただし貧血は、酸素を運搬する赤血球(ヘモグロビン)の量が血中に不足しているために起こるもの。
脳貧血は、血圧が急に低下するために、単に脳内酸素が不足して起こるもので、赤血球やヘモグロビンの量は関係しません。
低血圧気味でない人でも、気を失うほどの脳貧血を起こすことがあり、
長期にわたる寝たきり、降圧剤、アルコール、利尿剤などがその要因となります。
人間は横になった状態から立ち上がった状態になっても、自律神経が瞬時に血圧調節を行うので、血液が全身を巡るようになっています。
長期の寝たきりなどで横になっている時間が長いと、起き上がったとき自律神経の切り替えが瞬時に行われず、脳貧血状態になります。
降圧剤や利尿剤、アルコールには血管を広げる作用があります。
さらに利尿剤やアルコールなどは脱水症を引き起こすこともあり、血液量が減るため、血圧が下がってしまいます。
血圧高めの人が服用している血圧を下げる薬・降圧剤や、おしっこの出を良くする利尿剤、そして過度のアルコール摂取等によって血圧が下がっているとき、急に立ち上がるとくらっとして、ひどいときにはそのまま気を失うこともあります。
多量の排泄でも血圧は下がります。とくに高齢者で、便座に長時間座って排泄したあと、立ち上がろうとして意識がもうろうとなる人は珍しくありません。
はい。
とくに下痢で血圧が低下したときなんかは要注意です。
そうですね。
実は私、小学生のころ手術で入院してたことがあります。
ずっとねたきり状態で、ある時トイレに起きようと思ったら、いきなりクラッときたことがありましたよ。
起立性低血圧は、子どもや高齢者に多く見られます。
自律神経が乱れているとき、からだの不調が重なると、よりなりやすいようです。
自律神経に影響しやすいストレスを、ためないようにしないといいけませんね。
あああ、またもやストレス。
現代人には関わりが深いですね、はあ…
脳貧血を起こしたらどうしたらいい?
クラクラめまいがしたときの対策
起立性低血圧の症状は一過性のものなので、しばらく横になっていれば回復します。
病気というわけではないので、5分ほど安静にしたあと、ゆっくり起き上がりましょう。
脳に血液を行き渡らせるため、仰向けで少し足を高くした状態で休むといいですよ。
横になれない場合はしゃがむなどして、できるだけ頭を低くし、安静に。
予防対策
水分や塩分、ミネラル、タンパク質などの補給
低血圧にならないために水分やミネラル等を摂ります。
運動、マッサージなど
血液循環を良くするため適度な運動が重要です。
とくにふくらはぎには心臓と同じくポンプ機能があります。
1日に20分程度歩いたり、水泳などの全身運動でからだを十分動かして血行を促進しましょう。
加圧ストッキングなど
下肢に血液がたまるのを防止します。
自律神経を乱さない・ストレスをためない
起立性低血圧は自律神経の乱れが原因です。
乱れの要因となるストレスを溜めない、発散させることを心がけましょう。
さいごに
起立性低血圧が気になる場合は、もちろん受診して治療することも可能です。
一般的には上記のような、食事・運動・物理療法などでの改善を試みるようです。
自律神経失調症や糖尿病などの病気に起因することもあるので、薬物による治療が必要な場合もあるようです。
起立性低血圧で日常生活に支障があると感じる場合は、循環器科、神経内科などを受診しましょう。
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