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帯状疱疹は高齢者ほどなりやすい?神経痛の痛みは一生残る!?
急に胴周りが赤くなってぶつぶつができたら、鳥肌が立って血の気が引いていきますね。
見た目は何かのかぶれか感染症だと思いがち。
でも実は神経性の病気で、昔から体内に潜んでいたものである可能性が高いんです。
これが名前こそよく聞くけど、実際自分がなるとゾーッとする帯状疱疹。
この帯状疱疹、高齢者がかかると神経痛を伴う病気に移行しやすく、激しい痛みもついてくるなかなかにややこしいヤツだったんです。
高齢者ほど帯状疱疹になりやすい?
介護福祉士という資格を持つ私、以前勤めていた特別養護老人ホームで、あるおばあちゃんを同僚といっしょにお風呂に入れようとしていたときのこと。
同僚がびっくりした声をだすので見てみると、そのおばあちゃんの胸の下あたりが真っ赤になっていて、白っぽいぶつぶつがいっぱいできてるんです。
急いでナースを呼んで処置してもらい、わかったのが、これこそが帯状疱疹だったというわけなんですね。
ヘルペスウイルスの仲間である水ぼうそうのウイルスが原因で、このウイルスに初めて感染すると、水ぼうそうとして発症します。
水ぼうそうは一旦治っても、実はウイルスは死滅したわけではなく、体内に潜んで復活の機会を狙っています。
とくに背骨の神経節に潜んでいて、活動は停止しているものの、数年後何かのきっかけでふたたび活性化すると、水ぼうそうではなく帯状疱疹として発症するんです。
水ぼうそうと帯状疱疹は、同じウイルスが原因で発症するが、全く違う病気です。
見た目の症状:水ぶくれ
神経に沿ってウイルスが体表面に移動し、水ぶくれとなって現れます。
神経に沿って、なので全身どこにでも出る可能性があるわけですが、一般的に出やすいのは肋骨のあたりで、肋間神経の流れに沿って現れます。
それが帯のように見えるため帯状疱疹と呼ばれるわけです。
胸から背中にかけて出ることもあり、ときには手や顔などに出ることもあります。
体感症状:痛み(神経痛)
かゆみを訴える人もいますが、多くの場合は痛みが伴います。
「針で刺されているような痛み」とか「火箸を突っ込まれてるような痛み」など、激痛を訴える人が多いようです。
私がお世話していたそのおばあちゃんは言葉が話せないレベルの人だったので、顔をしかめていましたが、とてもつらかったんだなと今になって思えます。
発症から鎮静まで約1ヶ月
見た目の症状よりも神経の痛みの方が先に出ることが多く、神経に沿って、左右どちらか一方にピリピリした痛みが出る。
しばらくするとその部分が赤くなって透明の小さい水ぶくれができ、1週間ほどすると破れてただれや潰瘍になる。
2~3週間で黒褐色のかさぶたになり、4週目には見た目の症状・皮膚の状態は治っていくが、神経の痛みは残ることがある。
どんな人がなりやすい?
帯状疱疹になりやすいのはまず20歳代、そして50歳以上の年齢の人が発症しやすく、若いからならないという病気ではないんですね。
ただし、20歳代で帯状疱疹が発症した場合は重症化することはないんですが、50歳以上の場合は帯状疱疹後神経痛に移行することがあります。
帯状疱疹後神経痛
皮膚は治っても、神経は損傷したままで、痛みが残る激しい神経痛。
高齢者ほどなりやすく、場合によっては痛みは一生続くこともあります。
どんなときになりやすい?
この病気の発症原因ははっきりと解明されておらず、主にストレスや過労、加齢(老化)による体力低下、免疫力の低下で起こると言われています。
一度かかって治ると基本的に再発はないと言われているんですが、200人に1人の割合で二度発症することもあるようです。
発症するのは夏から秋、秋から冬など季節の変わり目が多いようです。
水ぼうそうにかかったことがない人は?
水ぼうそうにかかったことがなければ帯状疱疹を発症することはありません。
つまり帯状疱疹の発症条件は、過去に水ぼうそうにかかったことがあるということになります。
ただし、感染しているのに発症しない不顕性感染という場合だと、自分ではかかったことがないと思い込んでる場合もありますね。
気づいていないだけで実はウイルスが体内に潜んでいるということもあるので、その場合はやはり帯状疱疹が発症することがあります。
実は発症者の約20%は、この不顕性感染だという報告が上がっています。
帯状疱疹はうつるの?
水疱の中にはウイルスがたくさんいるので、それに触れると感染することがあります。
ただし過去に水ぼうそうにかかったことがある人にうつることはありません。
私も同僚も、子供の頃水ぼうそうにかかっていたので触れても大丈夫だったんですね。
過去に水ぼうそうにかかったことがない人には感染します。
でもいきなり帯状疱疹としてうつることはなく、まずは水ぼうそうとしてうつります。
治療法や予防法
神経の病気なので、塗り薬で表面を治療しただけでは根本的解決にはなりません。
主な治療法
抗炎症薬や抗生物質を用いた薬物療法の他に、神経ブロック療法や脊髄刺激療法と言うものがあります。
神経ブロック療法
障害を受けた神経やその付近に、局所麻酔を射ち痛みを和らげる治療法です。
痛み止めの薬による一時的な緩和と違い、繰り返し治療を行うことで改善されるようです。
脊髄刺激療法
脊髄に電極を入れて微弱な電気を流すことで痛みの感覚を麻痺させ、激痛を和らげる効果があります。
どれも薬剤や機材、そして時間を使って治療していく方法ですが、兆候を感じたら速やかに受診し、できるだけ早めに手を打てば、これらのような手の込んだ治療も必要なく治すことができます。
予防法はワクチン
水ぼうそうに使用する水痘ワクチンを予防に使います。
アメリカでは10年も前から使われており、日本でも今年3月から摂取できるようになりました。
ただし、予防接種の場合だと保険適用外になり、全額自己負担で9000円ほどかかってしまいます。
1回の接種で抗体が約10年できるので、900円ほどで1年間予防ができると思えば安いものですね。
予防効果として、
- 帯状疱疹の発症を50%予防
- 帯状疱疹後神経痛への移行を70%予防
と言う結果が出ています。
過去に水ぼうそうにかかったことのない人が帯状疱疹や水ぼうそうの人と接触しても、72時間以内にワクチンを接種すれば発症を食い止めたり発症しても軽症ですませることができます。
まとめ
水ぼうそうになったことのある人、なったかもしれない人でピリピリした痛みを感じたら早めに受診しましょう。
神経の痛みには、痛みの治療を専門に行うペインクリニックがおすすめです。
帯状疱疹の原因は過労やストレスとも考えられているので、かかったら十分にからだを休めることが大事です。
高齢者になってから帯状疱疹後神経痛になると、痛みは一生続くことがあります。
予防接種しておくことを考え、お医者さんに相談してみましょう。
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