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食中毒の種類と事前対策・腐ったものは無関係?
夏になると気になるのが、食べ物による健康被害「食中毒」。
お腹が痛くなったり下痢しても、いつどこで悪いものを食べたのか、全く心あたりがない。
臭いも見た目も異常なかったのに…
それもそのはず、食中毒を引き起こす細菌が繁殖した食べ物は、見た目や臭いなどでは判断できないから!
夏はものが痛みやすいから、それを食べて食中毒が起きると思われがちですが、腐ったものと食中毒は、実は無関係なんです。
食中毒には、腐敗とは別にその原因になる物質があり、種類も様々。
今回は中でも夏場に多い、細菌による食中毒について、事前の予防策を見ていきますよ。
食中毒の種類
食中毒とは、体内に摂取したもので腹痛や下痢・おう吐・発熱などのからだの異常が起こることをいい、立派な病気として扱われます。
食中毒には種類があります。
- 自然毒によるもの
- 化学薬品によるもの
- 毒素型の細菌によるもの
- 感染型の細菌・ウイルスによるもの
などです。
自然毒によるもの
きのこやじゃがいもの芽・ふぐの毒など、本来その食物が持っている毒により起こる食中毒です。
化学薬品によるもの
食品の生産過程で誤って混入された洗剤や農薬などの化学薬品によって引き起こされる中毒です。
毒素型の細菌によるもの
食品に付着した細菌の作り出す毒素によって起こる食中毒。
ボツリヌス菌や黄色ブドウ球菌・セレウス菌などがあります。
感染型の細菌・ウイルスによるもの
腸炎ビブリオ・サルモネラ菌・コレラ菌などの菌に感染した食材を摂取することで起こります。
0-157もこれに当てはまります。
以上は細菌性のものですが、ウイルス性のものでは寒い冬場に猛威をふるうノロウイルスがあります。
感染型と毒素型との違いってなにかと思ったんですが、前者は菌に感染した食物を摂取することで、体内で病原菌が繁殖して健康障害が起こるもの。後者は食物を介して体内に入った菌が、体内で作り出す毒素で健康障害が起こるといった感じです。
いずれにしても食品に付着した菌によって引き起こされることに違いはないということですね。
身近で起こりやすいのは、やはり食物に付着した菌の繁殖による食中毒ですね。
食材は調理前によく洗ったり、火を通したりすることで細菌の体内侵入を防ぐことができます。
食中毒を起こすのは細菌やウイルスだけではありません。
中には魚や馬肉に多い寄生虫による食中毒もあるんです。
この寄生虫が人間の体内に寄生することはないようですが、これが元で食中毒の症状が引き起こされます。
時間が経って痛んだもの・腐ったものを食べると食中毒を起こすと思われがち。でも、腐っているからおなか痛を起こして下痢をする・おう吐するとは限りません。
痛んだ食べ物・腐った食べ物の中に食中毒を引き起こす菌がいなければ、下痢もおう吐も腹痛もおきないんです。
ものを腐らせるのは腐敗細菌です。
発酵食品などはわざと腐らせるものであって、健康上の被害はありませんよね。
腹痛や下痢・おう吐の症状がでるのは腸内や食材の中で繁殖した食中毒菌のしわざです。
見た目も臭いも異常がないからたちが悪いんですね。
食中毒予防・事前対策
自宅でも起こりやすい、細菌の感染による食中毒予防のための3原則として
- つけない
- ふやさない
- やっつける
というのがあります。
つけない
そもそも食材・食品に、食中毒の原因菌をつけないということですね。
細菌には、もともと食材にくっついてくるものもあれば、あとから食品に付着するものもあります。
くっついてくるというのは牛・豚・鶏などの肉類に潜む菌です。
肉を切ったあとの包丁やまな板を、洗わない・洗いが不十分のまま野菜などを切るのに使うと、野菜にまで菌が付着することになります。
肉は火を通しても、野菜は生で食べる物もあるので非常に危険です!
包丁やまな板、食器等の食べ物に直接触れるものは使うごとに洗浄・除菌・消毒が肝心です。
まな板は肉用・野菜用とわけて使うのが理想です。
特に肉を切ったまな板は念入りに洗わないと、汚れ(食中毒菌)が少しでも残っていてはあっという間に繁殖します!
フキンやタオルも同様、一度使ったら交換しましょう。梅雨の時期や夏場は特に清潔に。
いくら火を通したり洗ったりの処置をしても、加工の時点であとから細菌が付着するということもあります。
それは、調理をする人の手が汚れている場合です。
手にケガをしている人がにぎったおにぎりやサンドイッチなどから感染するケースも多いんです。
調理に入る前にはきちんと石鹸で手を洗い、直接食べ物に触れる場合はビニール手袋を着用しましょう。
道具も食材も、常に清潔を保つことが重要です。
ふやさない
当たり前のことですが、菌は繁殖します。
そのスピードは急速です。
大抵の菌は10~60℃くらいの温度で活動し、とくに35~43℃くらいで活発化します。
夏場は一度火を通したものでも、室温でしばらく置いておくとまた菌が繁殖しやすいので注意が必要。
残ったものや、調理途中のものを台所やテーブルの上に放置するのはキケンです。
細菌が繁殖する条件
- 栄養
- 温度
- 水分
食材に繁殖するわけですから、細菌も栄養を必要としているわけです。
そして温度。人間の体温くらいの温度で活発化します。
もうひとつ、水分もあります。
細菌は水分に溶けた栄養素を吸って繁殖します。水分の多いものほど繁殖しやすいわけです。
栄養も水分も含む生肉などが細菌の温床になりやすいわけですね。
逆に言うと、水分含有量が20%以下の低いものの中では活性化しないんです。
乾物を放置していても食中毒の菌や腐敗菌にやられないのはこのためなんですね。
温度も10℃以下だと活動が停止します。
余った食材はすみやかに冷蔵庫に入れましょう。
基本的に調理したものはすぐに食べてしまう、残ったら冷蔵保存という迅速な処置が食中毒の原因を増やさないポイントです。
やっつける
大抵の菌は加熱処理で死滅します。
鍋物だと中心部が75℃以上になるようかき混ぜながらよく火を通し、そのまま1分間加熱しておきます。
ノロウイルスの場合は、もう少し高い温度(80~90℃で2分ほど)で加熱する必要があります。
100℃の熱でも死滅しないウェルシュ菌やセレウス菌といったものがあります。
加熱しても死なないので非常に厄介なんですが、60℃以上の高温、あるいは10℃以下の低温で活動を休止するので、よく火を通すことを心がけ、冷めないうちに食べる・余ったらすぐ冷蔵庫にしまうというのが食中毒防止のコツです。
加熱しても死なない菌についてはこちらもどうぞ
調理前に石鹸と流水でよく手を洗う、必要とあれば消毒する、シンクや調理用具を熱湯消毒するといったことでも菌をやっつける効果は十分です。
食中毒の菌が体内に入っても、その数が少ないと症状は出ません。
鍋物や肉類などはよく火を通しておくと、かなりの菌の減退が望めます。
これら予防の3原則にのっとって調理・食事をしていれば、食中毒も回避できるはずです。
あとがき
どうでしょう。
異臭がして見た目にも糸を引いてそうなネバネバした感じのものを食べてもなんともなくて、見た目も普通で異臭もしないもので下痢やおう吐の症状がでるなんて。
なんか見えない敵と戦ってるみたいで、怖いなあって思いましたね。
しかも加熱にも強い細菌がいると、作りおきはどうしたらいいのって思いますが、加熱で弱体化はできるようなので、私、改めて火を通すことの重要さを確認いたしました。
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