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難聴の原因は騒音!?イヤホンの音量や耳鳴りに注意
難聴ときくと、高齢者特有のものかと思われがちですが、若いうちからでもなることがあります。
非常にゆっくり、知らず知らずのうちに進行するので気づきにくい、隠れ難聴と呼ばれるたぐいのものです。
高齢で耳の機能が弱るのと違い、大きな騒音が継続して耳に負担を掛けることでその機能を壊してしまいます。
街なかにあふれる騒音だけでなく、イヤホンやヘッドホンの連続使用も原因になる騒音性難聴。
音が聞こえづらくなるだけでなく、治まることのない耳鳴りを生じさせることにもなるんです。
騒音で難聴になるのはなぜ?
プレス機を扱う工場や鉄工所、ドリルや杭打ちを使って作業している建築現場などの近くで、頭の奥まで響くような音を聞いた経験はあるかと思います。
あるいはコンサート会場やライブハウスなどで、隣の人と会話すらできないほどの大音量の音楽を聞き続けたなど。
そういった大きな音による衝撃が耳の奥、内耳にある器官・蝸牛を障害することで、聴力に悪影響が出ます。
蝸牛の中には音を感知する有毛細胞というものがあり、これが傷ついたり弱ったりすることで聞こえが悪くなります。
これは事実上の外傷で、音響外傷と呼ばれるものです。
有毛細胞は弱った程度、音響外傷の段階では回復も見込めますが、損傷し壊れてしまうと元に戻すことはできません。
再生しないので、壊れたら壊れたぶん聴力が落ちるというわけです。
強い音の衝撃でなってしまう難聴を騒音性難聴と言います。
工事現場やライブハウスでも、強い衝撃となる音をたまに耳にする程度なら、聴力の低下も一過性のものですむでしょう。
でも長い期間にわたって聞き続けているとやがて有毛細胞の損傷も進み、元に戻らなくなる場合が多いんです。
耳の感覚が戻らない、なんか変だと思って受診したら騒音性難聴だと診断された人は少なくありません。
音を捉えるレベル(しきい値)が上がって、本来ならやかましく感じるのが普通になっていくんですね。
そのかわり今度は、静かになっても普通の話し声だと聞こえづらくなります。
ああ~!あるある!
ライブハウスから出たあとも、自分の声が大きくなってたし…
周りの音が聞こえなくてボーッとした感じがあるよ。
次の日もずっと変な感じがした。
あれって難聴になりかけてたの!?
ドラムやってる私の友人と久しぶりに会ったら、地声が大きくなってましてね。
難聴で自分の声すら聞こえづらくなってるから、自然と大声になったって言ってました。
85デシベル以上の音を絶えず聞いていると、有毛細胞が壊れやすいんです。
パチンコやゲームセンターの店内が85デシベルと言います。
あれって前通るだけでもかなりうるさいですからね…
そういったお店や、大きな音を出す工場や工事現場で働く人たち、あるいはミュージシャンは常に騒音にさらされているわけです。
そんな人達がなってしまう騒音性難聴を、職業性難聴といいます。
最近の研究では、有毛細胞そのものは無事でも、有毛細胞のある内耳から脳につながる蝸牛神経に損傷があっても難聴につながると言われています。
この神経が損傷されても、やはり聴力はもとに戻らないと言うことです。
同じような状況にあっても難聴になる人とならない人がいます。
でも若いうちから大きな音を耳にしていると、歳をとってから加齢性難聴になる可能性が高くなります。
関連記事⇒加齢性難聴って加齢だけが原因じゃない
イヤホンと音量に要注意
音響関係の仕事でないなら、耳栓をすれば仕事上の騒音は回避できるでしょう。
そして趣味の範囲でも、ライブハウスやクラブなどに連日通わなければ、難聴になるリスクは回避できます。
でも気をつけなければいけないのが、自分が騒音と感じていない音に長時間さらされることです。
それが、若い人に多いイヤホンやヘッドホンで音楽を聞き続けることによる難聴のリスクです。
かなり音漏れして、周りの人にも何の曲かわかるくらいの大音量で聞いている人もいますね。
そういった人はもしかすると、大音量にしないと聞こえづらくなっているのかもしれません…
人が大声で話す音量は85デシベルと言います。
耳元で大声で話されているのと同じように、音楽を聞き続けていると騒音性難聴(イヤホン難聴)になるリスクが高まります。
音量は程々に、周囲の音も感じるくらいでないと危険です。
そして気をつけないといけないのが、電車の中で聴く音楽です。
地下鉄や電車内の音そのものは80デシベルあると言われています。
イヤホンで音楽を聞いている際に、電車のガタゴトいう音すら聞こえないほどの音量になっていると、当然内耳にかなりの負担がかかることになります。
電車内はうるさいので必然的に音量を上げてしまう事が、イヤホン難聴のリスクを上げてしまうわけです。
降りる駅までの時間が長いほど、蝸牛の有毛細胞は障害を受け続けることになり、それがほぼ毎日のように続くと、知らない間に損傷は進行していきます。
これは徐々に徐々に状態が悪くなっていくので、非常に気づきにくい症状でもあります。
そして健康診断の際に突然、騒音性難聴であることを告げられることも少なくないんです。
イヤホンやヘッドホンを外したときに周囲の音が聞きづらいなど、なんとなく違和感があるなら音量や長時間の使用は控えめに、早めに耳鼻科を受診することです。
初期症状は耳鳴り
騒音性難聴の初期段階では、高音域が聞こえづらくなっていき、耳鳴りが発生します。
耳鳴りは内耳の蝸牛で発生した電気信号のトラブルによるものです。
外から伝わった音を、内耳の蝸牛で電気信号に変換し、聴神経を通して脳に伝えることで音や言葉としてとらえます。
耳鳴りは元になる音がないにもかかわらず、蝸牛が電気信号を発生させるために、キーンとかゴーといった耳鳴りとして脳に伝わるわけです。
耳鳴りに気づいた時点で治療を始めると治る可能性が高いんですが、放置していると慢性化してしまうこともあります。
コンサートやライブハウスなどでスピーカーのすぐ側で聞いていると、静かになったときにかなり大きな音で耳鳴りが聞こえることがあります。
翌日には治まっているなど一過性ですむこともありますが、上記のイヤホンのように長く騒音を聞き続けているうちに次第に耳鳴りを意識するようになったときには、かなり難聴が進行していたということもあります。
耳鳴りの怖いのは、周りの音が聞き取りづらくなるというだけでなく、今後もずっとキーンとかゴーッという音がつきまとうということです。
寝るときにも音は聞こえたままなので落ち着けません。
中には音楽をかけることで耳鳴りを上書きして眠りにつくという人もいるようです。
さいごに
大きな音を何日も継続して聞いているだけでなく、大きな爆発音や破裂音などを一度聞いただけでも騒音性難聴になることがあります。
危機感のない子供の頃は、友達の耳元で「わっ!」と、大きな声で叫んだ、あるいは叫ばれた経験のある人もいるでしょう。
私もそれをやって叱られたものですが、まさにそういうことが原因で内耳の器官が障害を受けるので、騒音性難聴は軽く考えてはいけない病気です。
現代社会では大きな音を常に避けることは難しく、街中にいるほどその影響を強く受けます。
騒音性難聴にならないようにするには、なんと言っても予防、つまり音を回避することが重要です。
- イヤホンを付け、大きな音で音楽を聞かない
- 大きな音のする場所へは近づかない・控えめにする
- 耳栓などの防衛策をとる
など、いろいろありますね。
そして耳鳴りを感じたら耳鼻科を受診することです。
一度壊れた有毛細胞はもとに戻りません。
早めの治療で、損傷してしまう前に改善することが大切です。
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