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食後高血糖はなぜ起こる?食べ方を改めて予防対策
健康診断では血糖値のレベルは基準値内。
なので安心してご飯もモリモリ食べてお酒も飲む、という人は多いんじゃないでしょうか。
でも食べ過ぎ、とくにご飯やお酒などの糖質を多く含んだものの摂りすぎには要注意。
健康診断で異常なかった血糖値の数値が食事の後に、食後高血糖・血糖値スパイクという意外な形で跳ね上がる人も少なくないんです。
健康診断で気づきにくい食後高血糖
1日のうちで、血糖値はずっと一定のままというわけではありません。
通常、ご飯やおやつを食べれば上昇し、やがてまた下っていきます。
そして血糖値の高い人というのは、基準値を超えて高くなり、その状態が続いてしまうんですね。
血糖値が高い状態が続くと、糖尿病になってしまいます。
だからみんな、健康診断での血糖値を気にするんですね。
“糖”とついてるからと言って、甘いものだけとは限りません。
ご飯とか、パスタやパンなんかの小麦でできた食品、いわゆる炭水化物が血糖値を上げるんですよ。
炭水化物は食物繊維と糖質でできています。
つまり、ご飯もパンも糖質なわけです。
はい。
こうしたものはエネルギーとなるブドウ糖に分解されて血液中に流れるんです。
血液中の糖の値で“血糖値”ということなんですが、味は甘く感じなくても糖質を含んでいれば、血中の糖分濃度は上がります。
ご飯も血糖値を上げる食べ物だったのか~。
あ!介護施設で血糖値が高い人のご飯の量を少なくしてるのも、そういった理由からなんだね?
そうですね。
あと、糖尿病を患っている人の食べ物や飲み物には、糖質ゼロの人工甘味料を使いますしね。
普通にご飯を食べていても、血糖値は上昇します。
上昇すると言っても健康な人なら規定範囲内でのことです。
ところが食べ過ぎ(とくに炭水化物の摂りすぎ)や短時間で一気に摂取(早食い・ドカ食い)などが、血糖値の急上昇を引き起こすことになるんです。
それが、あまり気づくことがない食後高血糖と言われるものです。
普段は緩やかな血糖値の変動が食事のあと急激に上昇し、食後の血糖値の規定範囲を大幅に超えてしまう状態を言います。
そしてグラフ上で飛び抜けた値がくぎ(スパイク)のように見えることから、血糖値スパイクとも呼ばれています。
食後血糖値は通常、70〜139mg/dlの範囲を基準としています。
食後、血糖値が上がっても徐々にまた下っていきます。
ところが2時間経っても140mg/dlを超えた状態にあると、食後高血糖ということになります。
これらは健康診断でもわかりづらいので、気づかずに繰り返していると後々こわい病気を引き起こすことにもなるので要注意です。
血糖値は下がるのになぜ悪いの?
どうして健康診断でわからないの?
血糖値調べてるのにわかんないんじゃ診断の意味ないじゃん。
健康診断で計るのは、最低でも12時間以上なにも食べていない状態での、空腹時の血糖値です。
でも食後高血糖とは名前のとおり、食べたあとに血糖値が急上昇するものなので、通常の検査ではわからないわけです。
食後に急上昇した血糖値は、やがて基準値内に戻っていきます。
上がったら上がりっぱなしというわけではないので、気づきにくいんですね。
でも、上がりっぱなしじゃなくて、基準値内に戻るんでしょ?
ちゃんと下がるのに、なにがいけないの?
血糖値が規定よりも高い状態が続くと糖尿病と診断されますね。
上がったのが下がるんだから糖尿病のリスクは回避できると思われがちですが、食後高血糖は隠れ糖尿病や糖尿病予備軍ともいわれているんですよ。
それだけじゃなく、この食後高血糖・血糖値スパイクの怖い点は、血糖値が急激に上昇するということにあるんです。
血糖値の急激な上下動は、血管の壁を傷つけると言われています。
当然のことながら、傷つくと、人のからだはその箇所を修復しようとしますね。
血管が傷ついた時に修復するのがコレステロールです。
血管内に修復剤であるコレステロールが溜まると、血液が詰まりやすくなります。
血圧も上がりますね。
その上、血管が硬くなって弾力性が弱まり、動脈硬化を引き起こします。
つまり破裂しやすくなるということです。
これらのことから食後高血糖は、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなるということなんです。
こんな人は要注意!
- 血縁者に糖尿病患者や血糖値の高い人がいる
- 内臓脂肪が多い
- 早食い・大食いである
- 炭水化物や甘いものを好む
- 喫煙している
- 血圧が高い
- あまり運動をしない
運動が好きだったり、タバコを吸わないという場合でも、おにぎりやスナックパン、ラーメンばかり食べていると、それが原因になることもあるので注意が必要です。
食後高血糖の予防対策
食べる順番
これは私もずいぶん前からやっていることです。
血糖値のためではなく、ダイエットのためにしてることなんですが、これはつまり、食べる順番を変えるだけで血糖値の急上昇を予防できるだけでなく、肥満予防にもなると言うことです。
- 野菜
- 肉・魚(脂質・タンパク質)
- ご飯・パン(炭水化物)
血糖値の急な上昇を避けるには、まず、ゆっくり食べるということです。
そのためには最初に野菜から食べるのがいいんです。
野菜には食物繊維が含まれているので食物の吸収が遅くなります。
つまり血糖値の上昇が緩やかになるということですね。
次に、肉や魚に含まれるタンパク質や脂質が消化を遅らせ、胃に食べ物を長くとどまらせて腸で吸収される速度を抑えてくれます。
それによって食後の血糖値が上がるスピードも緩やかになるわけです。
その後でご飯やパンなどの炭水化物を摂るというのが良い食べ方の順番です。
食事を始めてからご飯を口に入れるまでに最低5分は開けるのが理想。
野菜というのは重要です。
私は最初の野菜を10分かけてゆっくりゆっくりと食べるようにしています。
ちなみに、丼ものなどのご飯と肉類がいっしょになったものは、先に肉を食べてあとからご飯なんて、わけて食べるわけにもいきません。
そんなときは、最初に野菜を食べ始め、5分経過したら肉とご飯をいっしょに食べてもいいようです。
そしてガツガツ一気にほおばったり、急いで食べたりするのではなく、少しづつ口に入れてよく噛んで食べるのがポイントです。
食事には20分以上かけるようにしましょう。
朝食は必ず食べよう
朝食を抜くというのは空腹時間が長くなるということ。
その状態で昼食を摂ると、食後の血糖値が急に上がりやすくなってしまいます。
炭水化物を摂りすぎない
ご飯やパスタなど、炭水化物は糖質でできています。
なので野菜のような食物繊維や肉などのタンパク質よりも血糖値は遥かに上がりやすいんです。
もちろんケーキやチョコレート、ジュースなんかも同じです。
炭水化物=糖質の摂りすぎには十分注意しましょう。
ただし炭水化物はエネルギー源でもあるので、極端に減らしてしまうのもあまり良くありません。
あくまでも摂りすぎないというのが肝心です。
食後には適度な運動をしよう
食後1時間ほどしたら、軽めの運動をしましょう。
炭水化物が分解されてできるブドウ糖は、エネルギーとして使われるものです。
なので運動してして使ってやればいいんです。
軽くジョギングしたり散歩したり、ちょっとからだを動かしてみましょう。
階段の昇り降りやラジオ体操にストレッチなど、15分程度運動するといいですよ。
あとがき
食後高血糖・血糖値スパイクはそれだけでも心筋梗塞などにつながることがありますが、糖尿病に進行する危険性もあります。
糖尿病の怖い点は視力障害や神経障害、じん臓障害などを引き起こすということです。
足が壊死してしまって切断を余儀なくされる人もいます。
健康診断でわからなくても、自分は何か当てはまりそうだなとか少し心配だなと感じるなら、病院で検査を受けてみましょう。
ブドウ糖負荷試験という検査で血糖値を調べることもできます。
食後すぐに強い眠気を感じる人や倦怠感のある人は検査をおすすめします。
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