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高齢者の転倒に注意!外よりも多い家の中の事故

 


日本人の体力も知力も、そして見た目もひと昔前に比べて随分と若くなってきましたね。

 

孫がいるという人でも、一見するとすごく若くて、歳をきいたら60歳と言うのはザラです。

 

定年退職が60〜65歳なんて、全くバカげてると思えるほどにまでなってますね。

 

 

それでも、世間一般では高齢者とされる65歳以上の家庭内事故は結構多いのが現状です。

中でも転倒により死亡する事故は高い割合を占めているんです。

 

さらに家の中での転倒は、外や自宅以外の施設などよりもはるかに多く、全体の8割近くにも及びます。

 

 

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高齢者の家庭内事故で一番多いのは転倒

 

高齢者の場合、室内での転倒や階段からの転落は、死亡するに至らなかったにしても、その後深刻な状況になるケースが非常に多いんです。

 

年をとるにつれ骨密度は減少していきます。

なので高齢者が転倒した場合、骨折を伴うことが多くなります。

 

骨折しやすい部位として、手首や腰、そして太ももの骨・大腿骨が挙げられます。

中でも大腿骨の骨折は大きな問題になる事があります。

 

 

 

新米介護職員・みさと

転びそうになったら手をついてからだを守ろうとするから、手首が折れちゃうのはわかるけど…

でも、腰や太ももの骨が折れるっていうのはなんで?

管理人・かいり

お年寄りの場合、前のめりではなく、足がもつれてしりもちをつく人も多いですからね。

下半身からドスンと落ちて、腰を打ったり、腿の付け根が折れることは珍しくないんです。

 

ちなみに介護施設では、歩いている高齢者に後ろから話しかけてはいけないという決まりがあります。

これはびっくりして足がもつれたり、立ち止まって振り返る際に転倒する危険があるからです。

 

へえ〜。

腿の付け根が折れたら、歩けなくなっちゃうよ。
大腿骨が折れたら大きな問題になるって言うのは、そういうコト?

 

はい、良い質問ですね。

 

80歳以上の人が大腿骨を骨折した場合、寿命が3割短くなると言うデータがあるんです。

 

その理由として、立てない・歩けない状態で寝たきりになって、床ずれや肺炎などの合併症を引き起こしてしまうというのがあります。

 

そのうえ体力・筋力も落ちて衰えが早くなり、認知症が進むこともあります。

 

つまり高齢者の転倒は、寝たきりなどの「介護が必要」になることが多いということです。

 

 

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なぜ住みなれた自宅内で転倒事故が起こるの?

 

高齢者の転倒って、どうして起こると思いますか?

 

そりゃやっぱり、筋力も衰えたり、平衡感覚も鈍くなったりしてくるからでしょ?

 

そうですね。確かに、筋力・視力・平衡感覚などの「身体機能の低下」が転倒の理由として考えられてきました。

でも最近では「認知能力の低下」が転倒のリスクを上げていることがわかってきたんです。

 

 

認知能力というのは、五感を通して得た情報や知識に基づいて判断したり推察したり決定したりする能力のことを言います。

火に触れると火傷をする(だから触れないようにする)、道路に飛び出すと車にはねられることもある(だから注意する)といったことなどがこれに当たります。

 

65歳以上の転倒は階段より室内での方が多く発生しています。

 

部屋の中と言うのは平坦な場所ですね。

そんな平坦なところでも、履いているスリッパが滑る・椅子の脚につまづく・敷居に足を取られる・落ちているものをふんで転ぶという可能性もあるわけです。

 

階段では段差があるとはっきりわかっているので、転ぶと大変だという「注意する力」が強く働きます。

 

ところが逆に、リビングや居室の床などでは「フラットなところは安全だ」という思い込みがあるので注意があまり働きません。

住みなれて勝手を知っている自宅ならなおのことです。

 

思い込みもある上、注意も及ばなくなり、足元にものがあっても気づかない。

これが室内での転倒が多い理由です。

 

認知能力と転倒の関係

介護施設でも、歩いているときに話しかけられると立ち止まってしまう人を多く見かけます。

 

歩行中に話しかけられると立ち止まってしまう高齢者ほど転倒のリスクが高いという、「認知能力」と転倒との関係についての研究報告があります。

 

これはなにも、急に話しかけられて足がもつれて転ぶとかいうことじゃなく、次のふたつの機能の連動性に関係があるんです。

 

  1. 歩くというのは「運動機能」
  2. 話すというのは「認知機能」

 

このふたつが同時にできないと、転倒のリスクが高まるというんです。

 

歩きながら話すということは、歩くことと話すことのふたつの課題を同時にこなすということ。

 

 

これらを同時にすることができないと、歩いている時に話しかけられた場合…

 

  • 話すと言う認知機能が働き、歩くという運動機能をストップさせ、話のみに集中する
  • 次に歩き出すときには運動機能が再開するが、歩き出すときの注意力がなくなってしまっている

 

つまり歩きながら注意するということができなくなって、転倒リスクが上がるというわけです。

 

歩きながら話すということができない人は、ふたつ同時にするのが苦手なので、そもそも転倒しやすい人ということになりますね。

 

同じようにテレビを見ながら洗い物や料理ができない人も、ふたつ同時にするのが苦手ということになります。

 

 

予防は極めて重要

 

転倒を防ぐことも大切ですが、転倒しないためには足腰を鍛えるのも大事。

さらに頭も鍛えるのが重要です。

 

  • 一人でいることが多い(人と話さない)
  • 本を読まない
  • あまり考えることがなくなった
  • 興味・関心が薄れてきた

 

これらは認知機能低下につながります。

 

注意力・判断力を鍛えると転倒リスクを下げられます。

歳はとってきたけどまだ余裕で動けるうちから足腰や頭を鍛えて、少しでも転倒リスクを減らすようにしましょう。

 

リビングや居室・お風呂場などになにが置いてあるか、床の上はカーペットだけか、テレビのリモコンが転がっていないかなど、身近な場所を注意して観察してみましょう。

 

新聞や雑誌のマチガイ探しを解いてみたり、テレビのクイズ番組をいっしょになって考えるというのも脳のトレーニングになりますよ。

 

スマホやタブレットがあるならクイズやパズルのアプリを使うのもいいですね。

ただし、2つのことを同時にできたほうがいいからといって、歩きながらするのはやめましょう。

 

 

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さいごに

 

今ではバリアフリーが当たり前という時代になってますね。

 

足が痛くてあまり上がらない・階段の昇り降りはキツイと言うならともかく、まだ普通に歩けるうちからあまり段差のない環境ばかりというのも、老化を早める原因になります。

 

段差のないバリアフリーの安全な環境下にいるときにはいいですが、それに慣れてしまうと、外に出たときからだが対応できなくなることにもなるので要注意。

 

自宅に段差なんてないよと言うなら仕方ないですが、そんなときには足腰を鍛えるトレーニングです。

 

参考記事

高齢者向けインナーマッスルの簡単トレーニングで足腰強化

 

 


 

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管理人:かいり 

介護福祉士の資格を持つ管理人、

健康すっきり生活館の館長・かいりです。

仕事で経験したこと、学んだことをメインに実のある情報をお届けしていきます。

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