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ノロウイルスに消毒用アルコールって効果なくもない!?

 


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風邪やインフルエンザの流行る季節にはアルコールで手の消毒。

病院や図書館、レストランなんかの入り口にも置いてありますね。

 

でもこのアルコール消毒、ノロウイルスには効き目がないと言われています。

アルコールじゃノロウイルスは死なないからですね。

 

効き目がある消毒剤は塩素系のものとされているので、どこの施設でもノロウイルス対策にアルコールは使いません。

 

ところが近年、アルコールはノロウイルス対策に全く無駄ではないと言われるようになってきています。

 

 

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なぜアルコールはノロウイルスに効果がないの?

 

ここで言うアルコールとは、消毒用エタノールのことです。

当たり前ですが、お酒のことじゃあありません。

 

そもそもノロウイルスにアルコールが効果なしとされるのは、他のウイルスや病原菌が持っているエンベロープという膜を消毒剤が壊すことで不活性化させるのに対し、ノロウイルスはそのエンベロープを持たないウイルスなので、アルコールをかけてもなんの変化も示さないからなんですね。

 

ノロウイルスに有効なのは、次亜塩素酸ナトリウムとされています。

大抵のご家庭にある塩素系漂白剤(ブリーチやキッチンハイター)の成分がこれに当たります。

 

ノロウイルス対策には、これを水で50〜100倍に薄めて作った消毒剤を使用します。

 

ところが、専門に研究されている山口大学病院薬剤部・尾家重治准教授は、マウスのノロウイルスを使った実験結果から、アルコールもノロウイルス対策に有効であるとの見方を示しておられます。

 

 

本来ヒトのノロウイルスは培養できません。

 

なので代替として、類縁ウイルスであるネコカリシウイルスを使って実験をした結果、アルコールはノロウイルスには効果がないとされていました。

 

でもマウスのノロウイルスはネコカリシウイルスよりもヒトのノロウイルスに近いとされ、実験結果もアルコールの効き目が認められることから、ヒトのノロウイルスにも消毒効果が期待できると言われているわけです。

 

ただし准教授は、ノロウイルスはアルコール抵抗性が強いので、消毒は二度行うことが望ましいとも仰っています。

 

参考:一般社団法人 アルコール協会「ノロウイルスに係る エタノール使用ガイドライン」

 

 

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アルコールを使う理由

 

ノロウイルスに対して消毒剤を使うのはどんな時でしょうか。

 

感染した人の吐しゃ物や便を処理する必要があるときや、ウイルスが付着しているかもしれない場所、部分の消毒のときですね。

 

つまり感染予防に次亜塩素酸ナトリウムの消毒剤を使うわけですが、吐しゃ物を取り去ったあとの床に消毒剤を吹き付けると、床に広がったノロウイルスを死滅させることができます。

 

そして、手すりやイス・テーブル、ドアノブなど、人が触ることの多い部分に使用すると、手から手への感染も予防ができます。

 

同じく、80℃以上の熱湯もノロウイルスを死滅させるのに有効です。

 

 

でも…
次亜塩素酸ナトリウム、つまり漂白剤をドアノブなんかの金属部分やトイレの便座のようなプラスチック部分に吹きかけると、劣化が早くなります。

 

熱湯も床や食器には使えても、ドアノブや便座には使えませんね。

 

それに第一、肝心の手の消毒には、熱湯はもとより漂白剤も刺激が強すぎて使えません。

 

そこでアルコールの有効性が高くなってくるわけです。

 

漂白剤の使えないところにアルコールを使おう!

現時点では、まだアルコールがノロウイルスに完全に有効であるとは断言できません。

 

でも、金属やプラスチック部分は、一度表面に付着しているウイルスをアルコールで拭きとったあともう一度拭き取ると、除去効果は高くなります。

 

手の消毒も同じです。

流水や石鹸で物理的にウイルスを洗い流したあとにアルコールを使用する、2段階の手指消毒は全くの無駄ではなく、むしろ補助的に使うことが望ましいとされています。

 

次亜塩素酸ナトリウムは、塗装されていない木製品に使うと効力が落ちるとされています。

そのため、アルコールのほうが有効であるとのことです。

 

次亜塩素酸ナトリウムが使えないところは意外に多いので、そこをアルコールで補うようにしてみてはどうでしょうか。

 

参考:一般社団法人 アルコール協会「ノロウイルスに係る エタノール使用ガイドライン」

 

 

ノロウイルスに有効なアルコール

 

「ノロウイルスに係る エタノール使用ガイドライン」に、消毒用エタノールにクエン酸を混ぜると効果に変化があったとの実験結果が載っていました。

 

ほほう、クエン酸…

これは意外な…と思っていたら、健栄製薬さんが消毒用エタノールにクエン酸や硫酸亜鉛なんかを加えて調整した「ノロウイルス用の消毒剤」を出しているのを発見しました。

 

クエン酸の働きでエタノールのpHが酸性に傾き、それがノロウイルス除菌に効果大ということのようです。

 

 

健栄製薬さんというと、手ピカジェルを出している会社ですね。

うちでも使っています。

 

 

でもこれは、ノロウイルスには効果的ではありません。

 

で、ノロウイルス予防にも効くアルコール消毒剤というのが、これ。

ラビショットラビジェルと言う商品です。

 

 

 

 

手には使えない次亜塩素酸ナトリウムと違って手指消毒剤だから、安心して肌につけられますね。

湿潤剤入りで、手荒れもしないようです。

 

違いはスプレータイプかゲルタイプかというところでしょうか。

 

 

さいごに

 

上にも書いたように、まだアルコールが完全に有効であるとは断言できません。

でも、ウイルスや病原菌予防の一番の対策は手洗い・消毒です。

 

次亜塩素酸ナトリウムではできない手の消毒も、アルコールを使った消毒剤なら可能です。

 

石鹸と流水でウイルスを落として消毒もすれば、それだけ感染のリスクも減少します。

 

無駄だと思ってしないよりは、二段構えの防御策をとるほうが気持ち的にも少しは安心できるんじゃないでしょうか。

 

手を洗ったあとはしっかり乾かしてからアルコールをつけましょう。

水で濡れたままではアルコールが希薄されて効果が薄れてしまいます。

 

 

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管理人:かいり 

介護福祉士の資格を持つ管理人、

健康すっきり生活館の館長・かいりです。

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