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体温を下げる食べ物で暑さをしのぐ方法
暑いときに冷たいジュースやアイスを食べると気持ちいいですね。
冷蔵庫で冷やした麦茶なんか、ついつい一気飲みしてしまいます。
でも、それだと暑さしのぎは一時的。
もちろんたまになら問題ないですが、暑いからといって冷たいものの摂りすぎは逆効果。
お腹を壊したり、夏バテの原因にもなりかねません。
暑い時ほど冷たくないものを食べて、内臓をいたわりつつ体温を下げましょう。
体温はどうやって下げられる?
体温を下げるのに適した食べ物とは、結論から言うと、発汗性の高い食べ物・カリウムを多く含んだ食べ物ということになります。
発汗性の高い食べ物がいいというと、
「暑いのにわざわざ汗の出るような食べ物がいいなんて信じられない」とか、
「汗をかくってことはよけい暑くなるんじゃないの」と思う人もいるかもしれません。
カリウムというと、「なんじゃそりゃ???」となる人もいるでしょう。
ではまず、どうやって体温を下げていくか、その仕組みについてです。
●体温が下がる仕組み
体温を下げるには血行をよくすることや、汗をかくこと等があります。
さて、ここでも「血行が良くなるってことはからだが暖まるってことだよね?」と思うでしょう。
はい確かに「寒いときは血行を良くして冷えを改善」と、よく耳にしますよね。
ややこしいですが、血行がいいとからだが暖かくなるというのではなく、暖かいから血管がゆるんで血行が良くなると考えて下さい。
血液は、心臓から全身に張り巡らされた血管を通って、また戻ってきます。
からだの表面、つまり皮膚に近いところにある血管は、肌にふれる空気で冷やされます。
そこを通過する血液は熱を奪われた状態でからだを巡ります。
血液は冷却水の役割を兼ねているわけです。
寒いと血管は収縮する
⇒血の巡りを悪くし、熱の拡散(逃げるの)を防ぐ。
暑いと血管はゆるむ
⇒血の巡りが良くなり、空気で冷やされる範囲が広くなる。
血行を良くすると熱を逃がしやすくなり、体温が下がるというのはこうした理由からです。
でも、こうした体温調節にも限界が出てきます。
「夏はジリジリと暑いし、そのうえ空気も熱を帯びていたら、肌に当たる空気で血液を冷やせるわけがない!」
肌に外気が当たるだけでは追いつかない! そこでからだは次の策をとります。
つまり、発汗です。
体内にこもった熱を、汗で外に逃がすわけなんですが、さらに、ここに気化熱という効果が加わります。
汗が蒸発する際に、からだから熱を奪っていくわけです。
体温を下げる仕組み、血行と発汗以外にも、もうひとつ体温を下げるものがあります。
それが排尿、オシッコです。
オシッコも、からだの熱をいっしょに出してくるので、体温を下げる機能のひとつです。
トイレに行ったあと、からだがブルッとなることがあるのはこのためです。
そしてオシッコがよく出るようになる、利尿作用のある成分がカリウムというわけなんです。
食べ物で体温を下げよう
体温を下げる食べ物としては
- 利尿作用のあるもの
- 発汗を促すもの
- 血行をよくするもの
が有効ということになります。
利尿作用のあるもの
利尿作用のある成分・カリウムは、大抵の食品・調味料に含まれるミネラルですが、バナナやトマト、ナス、キャベツ、なつみかんなどに多く含まれています。
よく、ナスやトマト、きゅうりを食べるとからだが冷えるといわれていますね。
でも、これらの野菜を食べたところでからだは冷えません。
からだを冷やす成分が含まれているわけではないし、実際からだが冷えるという根拠もありません。
これらの食べ物は水分も多く、食べると清涼感が得られます。
さらにはカリウムの利尿作用で、オシッコとともに熱が排出されることで「からだが冷える」と言われているようです。
●カリウムがとくに多い食べ物
バナナ
どこでも手に入るしお値段も安いので、やっぱり手軽にそこそこのカリウムを摂取するには一番いい食べ物といえます。
大きさにもよりますが、大体1本あたり360〜400mgのカリウムが含まれています。
メロン
メロンも一玉あたりの含有量はかなり多く、普通なら1人1/8位の量しか食べないでしょうが、それでも300mg以上は軽く含まれています。
カボチャ
カボチャは大きいのでまるごと食べる人なんてまずいません。
小さく切ったものや天ぷら用にスライスしたもの3枚(個)程度でも300mgほど含有しています。
ポテトチップス
スナックですが、意外と多いのがこれです。
一袋60gで800mgのカリウムが含まれています。
他にもアボカドや焼き芋、昆布などの海藻類に多く含まれます。
ただし、アボカドや昆布などは100gあたりの含有量はかなり多いですが、一度に100gも食べないですし、焼き芋は夏場手に入りにくい食材ですね。
カリウム以外にも利尿作用のあるのがクエン酸やカフェインです。
カフェインはコーヒーや緑茶に含まれている物質で、クエン酸はレモンやみかんなどの柑橘類に多く含まれています。
カフェインの摂りすぎは心拍数を増加させたり吐き気、胸焼けなどを起こし、クエン酸も下痢を起こすなどの副作用があるので摂りすぎはよくありません。
でもカリウムは一定量を超えると尿とともに排出されるので、摂りすぎになることはありません。
ただし、腎臓が悪い人はカリウムの排出がうまくできないので注意が必要です。
発汗作用のあるもの
これはなんといっても辛い食材。
キムチやカレーといった、香辛料を使った食べ物がおすすめです。
カレー
カレーはどの季節にも抵抗なく食べられる料理ではないでしょうか。
脂肪燃焼効果も期待でき、夏バテ防止にもカレーはイチオシです。
キムチ
唐辛子の主成分カプサイシンが脂肪を燃焼させ、発汗をもたらします。
香辛料は食欲を増進させ、からだの芯から熱くしてくれます。
キムチだけじゃなく、韓国料理は唐辛子を多く使っているので、どれもかなりの発汗が期待できますね。
血行をよくするもの
夏場は血管がゆるんでいるので、特に血行をよくするものではなく、どちらかと言うと血液をサラサラにしてくれる食べ物を見ていきましょう。
青魚
イワシ・アジ・サンマ・サバなどの青魚には、ドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸と言った、血液の凝固を防ぐ物質が豊富に含まれています。
発酵食品
納豆・ヨーグルトと言った発酵食品にも血液をサラサラにする酵素が含まれていますが、納豆がもつ独特の酵素・ナットウキナーゼには血栓を溶かす作用があります。
野菜
野菜の中でも特ににんにく・ニンジン・トマト・タマネギ・ニラなどが血小板の凝集を抑制する効果が高いようです。
らっきょうや梅干しも血液サラサラ効果のある食べ物ですが、梅干しにはクエン酸が含まれています。
クエン酸は利尿作用の他にも、血中の脂質を分解し、血液循環を促進する効果があるんです。
まとめ
冒頭にも書きましたが、暑いときに冷たいものを飲み食いしてもその場しのぎ。
発汗や利尿で体温を下げることばかり気にしていても栄養に偏りが出て、今度は夏バテや他の病気にかかってしまうことだってあります。
そして摂り過ぎると内蔵に悪い影響をおよぼすものもあるんです。
汗をかいたりオシッコをしたら、水分補給も忘れずに。
でも、熱いものを食べたあと、冷たいものをごくごく飲むと体調を崩すことになるので要注意です。
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